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道が広いこと 20190624

  • 執筆者の写真: Sota Takahashi
    Sota Takahashi
  • 2020年9月20日
  • 読了時間: 2分

下記記事は2019年6月25日こちらで公開したもののBUです。

 

セルビアに来てから今日で1週間。最初の3日を首都ベオグラード、その後にここスボティツァに着いた。


セルビア北部、ハンガリーの国境近くにある街、スボティツァは決してここは小さな町ではない(もちろん大都市ではないけれど)。

ヴォイヴォディナ自治区ではノヴィ・サドに続いて2番目に大きな街であるし、飲み屋はたくさんあるし、映画館は2つもある。立派なホールも、図書館もある。

人口は10万人ほどとかなり少ないものの、十二分に必要なものはそろっている。

街は遅くまで割と活気あるように思われ、24時すぎでも街に人はうろうろいる。


ただ何かが変だという違和感があった。もちろん僕は外部から来た人であるから違和感があるのは当然なのだけど、色々と世界の街を回ってきた経験からしてもちょっと変な気がする。

気づいたことを2点メモとして書いておくことにする。


道、空間について


道が広い。このことは着いてすぐに気が付いた。そしてその割には人口密度が低い。

これは撮影するにあたってすごく良いことに思える。カメラを引けるということだからだ。


僕はなるべくカメラを被写体から遠くに置いて、望遠レンズで撮りたいと思っている。それは被写体と被写体を取り囲む空間を邪魔したくないからだ。

しかし望遠レンズを使う弊害は、被写体とキャメラの距離が遠いために、被写体とキャメラの間に誰かが入ってくるかもしれない。それによって見にくくなってしまうかもしれない。そういうときに適度に密度が低いとありがたいのだ。


動く速さについて


ここの人たちはゆっくりとしたリズムで動いている。

昼から若者はビールを飲んで、コーヒーを飲んで、タバコを飲んでいる。

今のところ走っている人を見たのは突然のスコールをくらっているときくらいのものだ。本当に。

誰一人としてセカセカとしていない。

ここの人たちを急がせるためには雨を降らせなければいけないのだ。


そして1日がやたらと長い。日本より緯度が高いからだろうか。

とにかく1日がかなりゆっくり流れていく。すごく良いペースだ。


とりあえず、この2点を書いておいたのはこの空間の感覚と速度の感覚に留意して撮影を進めていきたいからだ。

この感覚が映る作品を作ろう。この感じは忘れないようにしよう。

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