こども映画教室に参加してきました
- Sota Takahashi
- 2021年9月21日
- 読了時間: 3分
こども映画教室に参加させてもらった。前々から存在自体は知っていたし、知り合いが何人もスタッフとして参加している。しかも諏訪さんからは授業のときに「興味がある人は連絡ください」と言ってくれていた。そこで知り合いの一人(その人は「なんか映画について書いてみる会」の共同主宰だ)に連絡して、参加させてもらうことにした。
そしたらなんとチームリーダーというポジションを任せてもらい、小学生5人と一緒に映画を作ることとなった。といってもこども映画教室は基本的に大人は手出し口出しせずに、こども達が全て決めることを大切にしているので、僕がやったことは概ね見守るくらいのことだ。
参加した5人は、下は小学1年生、上は6年生と年齢差がかなりある5人。しかもとりわけエネルギーが湧き出ている5人が集まった。そのエネルギーというのは「映画を作りたい!」ということでは必ずしもなく、常に何か行動をしていないと気が済まないという意味でエネルギーが溢れていた。
最初の小さなワークのときから、四方八方に拡散していく彼らを見て「彼(女)達をまとめることはできない」と悟った私は、「みんな集まってー」とか「ちゃんとやろう」とか言うこともやめてただジッと見守ってみた。みんなの側にはいるけど無言で立っていた。「みんなで決めて」と投げやりにも見える対応をした。「あと〇〇分しかないから急ごう」とは言ったけれど。
するとなんとも不思議なもので、一向に合意形成ができないのだけど、いざどこかに撮影に行ってみると皆自分の役割を自然と得て、あれよあれよと1ショット撮影ができてしまった。3人のこども達がある建物に走って入る様子が映っていた。一体これはなんなんだろうか。今までこんな風にして映画を撮ったことがなかった僕は本当にびっくりしてしまった。しかもそのショットをみんなでプレイバックして「これだとみんなが映っていないからもう一回やろう」と言い出してもう1テイク撮影をしだした。すると今度はすごく良いショットが撮れた。またまたびっくりしてしまった。これは考え方が凝り固まった僕としては「役者都合でもう1テイクやろうと言い出した」ことになる。しかし彼らは仲間で、一緒に映画を作ろうとしているときに、そんなことは全然関係ない。僕からすればぶったまげる方法で、映画がボトッと生まれ落ちた瞬間を見た気がした。
「いいよー」「できたよー」という2言が印象に残っている。これは撮影を主に担当することとなったこどもが撮影開始と撮影終了を告げる合図だ。僕がよく大声で「よーい、ハイ!」と「カット!」と言っているものと一緒だ。考えてみれば僕はこの一般的に使われている2言すらこども達に伝えていなかった。けどこども達は自然とその言葉を見つけた。心底伝えなくてよかったと思った。もし「いいよー」が「アクション!」だったら、「できたよー」が「カット!」だったら、きっと最終日に出来上がった映画とは別のものができていただろう。正しいとされている映画を繰り返したことになっただろう。少し考えてみればわかるけれど、リュミエール兄弟だってきっと「アクション!」「カット!」なんて言っていないはずだ。
今度また小学生達と一緒に映画を作る予定。
楽しみ。
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